名古屋駅前の弁護士 交通事故の法律相談

電話予約は052-587-3555

メールでの予約はこちら

無償同乗・好意同乗

2010/01/26

他人の運転する自動車に無償で乗せてもらい、走行中に運転者が交通事故を起こした場合に問題となります。
運転者(A)、Aの同乗者(B)、交通事故の被害者(C)とします。

Aは加害者として、被害者Cに対する損害賠償責任を負うことは勿論です。
では、この事故でBも負傷した場合、Aは好意・無償で自分の車に乗せていたBに対しても損害賠償責任を負うのでしょうか。いわばAの身内ともいえるBは、無関係の被害者Cに比べて、Aに対する損害賠償請求権を制限されるのではないかという話です。

この点、同乗者自身が交通事故の発生に影響を与えたような事情がある場合は格別、単に好意・無償で自動車に乗せてもらっているからといって、損害賠償額が減額される理由はありません。自動車を運転する者の責任を強化した自賠法(以下)は被害者である「他人」について有償・無償の区別をしておらず、判例も無償同乗者は「他人」に当たり保護の対象であると解しています(最判42.9.29)

ただ、先述のとおり同乗者が危険な運転を助長したり、運転者の危険運転を容認していたと認められる事情のある場合、信義則や過失相殺法理の類推適用によって、損害賠償額が減額されることもあります。
運転者のスピード違反を同乗者が煽ったり、運転者が飲酒していることを知りながら同乗したような場合には、この法理によって損害額が減額される可能性もありますから注意が必要です。

→賠償額が減額された事例
→賠償額が減額されなかった事例

○自動車損害賠償保障法(自賠法)3条
自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によって他人の生命又は身体を害したときは、これによって生じた損害を賠償する責に任ずる。ただし、自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかったこと、被害者又は運転者以外の第三者に故意又は過失があったこと並びに自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかったことを証明したときは、この限りでない。

 ○最高裁昭和42年9月29日判決
「自動車損害賠償保障法第三条本文にいう「他人」とは、自己のために自動車を運行の用に供する者および当該自動車の運転者を除く、それ以外の者をいうものと解するのが相当である」

カテゴリー: 後遺症の損害 · 死亡事故の損害



弁護士に依頼するメリットは?

後遺障害でお困りの方

死亡事故の遺族の方

弁護士・事務所紹介

メールでのご予約はこちら電話でのご予約は052-587-3555