名古屋駅前の弁護士 交通事故の法律相談

電話予約は052-587-3555

メールでの予約はこちら

カテゴリー '死亡事故の損害'

弁護士費用特約とは?

2012/11/08

 「弁護士費用特約」「弁護士費用等補償特約」とは、あなたの契約している保険会社が、弁護士費用を支払ってくれるという内容の特約です。

最近はこの「弁護士費用特約」が付いている保険がとても増えてきました。

ご本人が、この特約に加入していること自体を気づいていないケースが見られますが、自動車保険を契約する時、または契約更新の時などに、「弁護士費用特約」という文字があるかどうかを、ぜひ確認してみてください。この特約を契約内容に付けるにあたって、あなたは追加の保険料を支払っているわけですから、遠慮なく特約を利用していただきたいと思います。

この弁護士費用特約を利用されると、具体的には以下のようなメリットがあります。

1 ご本人の手取り額が増えます。

弁護士にご依頼をされ、無事に賠償金の回収に成功した場合には、弁護士の成功報酬が生じます。
たとえば加害者側の損害保険会社から1000万円を回収した場合、当事務所では105万円(税込)の成功報酬を頂いておりますので、裁判実費などを別に考えた場合、ご本人にお渡しできる金額は、1000万円から105万円を引いた895万円となります。

しかし、弁護士特約を利用され、105万円の弁護士報酬があなたの加入保険会社から弁護士に支払われた場合、ご本人には1000万円をそのままお渡しすることができます。
(保険会社が支払う弁護士費用にも上限がありますから、この上限を超える場合には不足差額を回収額から清算させていただきます)

このように弁護士費用特約を使用することにより、ご本人の手取額を増やすことができます。

2 損害額が比較的少ない件でも、弁護士に依頼できます

交通事故による損害といっても、例えば軽度のネンザやミラーの破損など、損害額がそれほどは大きくならないというケースも数多くありますが、こうした場合でも加害者との間で損害額についてトラブルになることは珍しくありません。
ところが、こうした交渉を弁護士に依頼しようとすると、仮に損害全額を回収できたとしても、そのための弁護士費用の方が高くついてしまうという可能性があるため、なかなか弁護士に相談・依頼しづらいという面がありました。

弁護士費用特約を利用された場合、弁護士費用や業務のための実費は契約の範囲内で保険会社から支払われるため、こうした件でも弁護士に依頼することが可能になります。

カテゴリー: 弁護士費用 · 後遺症の損害 · 死亡事故の損害

学生の逸失利益

2011/03/10

逸失利益を算出する場合、就業している社会人であれば、交通事故発生時の具体的な年収を基準にしていくことが一般的です。
一方、交通事故の被害者が学生だった場合、まだ就労を開始していませんから、将来的にどういった職種につくのか、どの程度の収入を得るようになるのかが定かではありません。逸失利益という概念は元来、未来の収入を予想するというフィクションですが、学生の場合、その将来像が就労者の場合よりも更に不明確になってくるため、逸失利益の算定手法が争点になることがあります。

実際には就労開始していない学生の将来収入をシミュレーションしようとした場合、様々な可能性を考慮しつつ、その平均的な数値を採用するという考え方には一つの合理性があるでしょう。厚生労働省の賃金構造基本統計調査(賃金センサス)では、学歴・産業・性別・年齢などジャンルごとに割り出された統計上の平均賃金が公表されており、これを逸失利益算出の基礎にしていくことが一般的です。

問題となりがちなのが、個別具体的なケースにおいて、どういった集団の平均値に着目するかという点です。たとえば被害者が交通事故発生時に大学生であれば、高校卒業者や専門学校卒業者を含めた全学歴の平均賃金ではなく、大卒者の平均賃金を基礎に逸失利益を算出しても特に違和感は無いかと思います。ただ、例えば被害者が医学部生であったような場合には、更に高い基準での逸失利益を主張していきたいということもあるでしょう。
また被害者が中高生だったような場合は、将来の進路が不透明ですから、高校卒業者あるいは全学歴の平均賃金を基準にすることが無難かもしれませんが、被害者側としては大卒者平均で逸失利益を主張していきたいというケースもあるかと思います。

加害者側からすれば、こういった損害賠償額を押し上げる方向の主張をそのまま受け入れることについて消極的なスタンスであることが多いかと思いますが、判例上も以下のように個別具体的な事情に基づく逸失利益の修正は肯定される場合があります。

○被害当時に中学生であり、高校進学した男子生徒の逸失利益につき、大学進学を希望していることから賃金センサス男性大卒全年齢平均賃金を基礎とした事例(岡山地判平成5年2月25日)
○私大医学部四年生の死亡による逸失利益につき、賃金センサス企業規模計、医師(男子)25歳~29歳の平均賃金を基礎とした事例(名古屋地判平成11年5月31日)

学生の逸失利益算出においては、このように個別具体的な事情が有利な影響を及ぼす場合があります。当事務所で実際に損害賠償請求をお手伝いすることになった際には、そうした背景についても詳しくお聞きすることになると思います。

カテゴリー: 後遺症の損害 · 死亡事故の損害 · 逸失利益

過失相殺と事故態様

2010/11/26

交通事故による損害について加害者側に賠償を請求する場合、争いになりやすい問題の一つが過失相殺です。計算上の損害額がどれほど大きくなっても、事故態様によっては被害者にも大きな過失があるとされ、実際に支払われる金額が何割も減額されてしまうことがあるからです。

たとえば片方の信号が赤色の十字路で発生した直進自動車同士の衝突事故では、相手側が青信号だったか黄信号だったかによって、赤信号側の過失割合は2割も変わってきます。

最近のタクシーなどはドライブレコーダーを搭載していることがありますから、そうした場合には交通事故の瞬間を後から映像で確認することが可能ですが、こういった交通事故の瞬間を後で検証できるケースは特殊なケースだと言えるでしょう。一般的な交通事故案件では、事故発生時の細かな周辺状況は不明であったり、後で証明することが困難であったりということも珍しくないと思います。

このように事後的な証明が難しい上、最終的な損害賠償額に大きく影響してくるというポイントであるため、事故態様についての見解は、被害者側と加害者側で言い分がかなり食い違ってくることがあります。歩行者が自動車にはねられたような件であれば、例えば「自動車側が前方不注意で突っ込んで来た」「歩行者側が突然飛び出してきた」と言い合いになるわけです。加害者側からは、被害者の不注意をむやみに強調するような事実も主張されることもあるので、こうした場合は十分に反論を加えておく必要があります。

事故発生時の状況に争いがある場合、こちらの主張する事実関係を様々な証拠によって立証していくことになります。裁判所から刑事事件の実況見分調書などを取り寄せたり、場合によっては事故現場に出向いて資料写真を撮影したりすることもあります。目撃者や被害者ご本人などに対しては、裁判手続の中で尋問を実施し、その主張に矛盾がないか、信用できる内容かどうかを、裁判官が直接確認するということも行われています。

裁判が進んでいく中で、こちらで事前に考えていた事故状況と異なる事実を示唆する証拠が出てくることがあります。事故状況の理解について修正を迫られるような事態になれば、程度によっては裁判や和解の方針を再検討しなければならなくなることもありますから、最初から事故状況を正確に整理しておくことは大変重要です。

もし不幸にも交通事故に遭ってしまった場合、記憶が薄れないうちに事故状況を詳細に整理しておいて頂けると、その後の損害賠償請求における交渉や裁判をよりスムーズに進めることができるかと思います。

カテゴリー: 後遺症の損害 · 死亡事故の損害 · 過失相殺

年金は逸失利益になるか

2010/04/01

年金を受給している方が交通事故に遭って死亡した場合、年金は逸失利益として考慮されるでしょうか。
逸失利益算定上の問題は給与所得や事業所得について論じられることが多いですが、年金もまた事故に遭って死亡しなければ定期的に得られていたはずの収入です。そこで、こうした年金支給額相当額が、交通事故の被害によって失われたとして逸失利益性を認められるかどうかが問題となります。

この点、年金といっても老齢年金・遺族年金等と様々な種類があり、具体的な事情に応じて判例の判断も様々ですから、一概に結論を導くことはできません。

ただ老齢年金などの老後保障に関する年金は、実際に受給している本人だけでなく、その本人の収入に生計を依存している家族の生活保障という側面もあること、保険料を長年支払ってきたことに基づいて受給されていることなどから、逸失利益性が肯定される方向にあります。(最判平成5年9月21日など参照)

一方、遺族年金については保険料支払と年金受給の関係が間接的であること、遺族の生活支援という趣旨が強いことなどから、受給者である遺族本人が亡くなってしまった場合にまで、得られていたはずの収入が失われたとして逸失利益性を認めることは難しい方向になっています。(最判平成12年11月14日など参照)

年金を受給していた方の場合でも、稼働状況等によって実際の賠償額は変わってきますから、まずはご相談頂ければと思います。

カテゴリー: 死亡事故の損害 · 逸失利益

無償同乗・好意同乗(賠償額が減額されなかった事例)

2010/03/09


○岡山地判平成11年11月29日
加害者が、雨天時にタイヤが摩耗した車両を時速80キロで走行させた結果、車両を滑走させ、水銀灯に激突して同乗者が死亡した件
同乗者には、タイヤの摩耗状況を知っていたり、高速で運転するよう指示するなど、事故発生に特段の過失や寄与があったという証拠はないとして、好意同乗による損害の減額を否定した。

○東京地判平成7年12月7日
加害者が車両を高速で走行させ、カーブでハンドル操作を誤ってガードレールに衝突させ、同乗者が死亡した件
同乗者には、事故につながるような無謀な運転を誘発したり、容認するなどの帰責事由は認められないので、好意同乗として損害額を減殺することは相当でないと判断した。

カテゴリー: 後遺症の損害 · 死亡事故の損害 · 過失相殺

無償同乗・好意同乗(賠償額が減額された事例)

2010/02/12

 
○東京地判平成10年6月24日
運転者が飲酒していることを知りながら同乗し、遠距離を長時間ドライブしている途中、カーブを曲がりきれなかった自動車がセンターラインを超えて対向車と衝突、同乗者が死亡した件
同乗者は、本件事故発生に帰責事由があり、損害から30%を減額するのが相当とされた。

○大阪地判平成7年6月22日
友人の運転する自動車に同乗中、運転者が運転を誤り県道から転落、電柱に激突し同乗者が負傷した件
運転者が免許取得から1ヶ月半の初心者であったこと、徹夜後の疲労した状態であったこと、同乗者が高速運転を特に制止しなかったこと等に照らし、ある程度危険な運転を放置、容認して、その利益を得ていたと判断し、損害から15%を減額した。

○大阪地判平成10年6月25日
改造された上、右後輪のみ別種タイヤが装着されたコントロールしづらい状態の車両に同乗したところ、自動車がセンターラインを超え対向車と衝突、同乗者が死亡した件
状況を斟酌し、被害者の損害から40%を減額した。

カテゴリー: 後遺症の損害 · 死亡事故の損害 · 過失相殺

無償同乗・好意同乗

2010/01/26

他人の運転する自動車に無償で乗せてもらい、走行中に運転者が交通事故を起こした場合に問題となります。
運転者(A)、Aの同乗者(B)、交通事故の被害者(C)とします。

Aは加害者として、被害者Cに対する損害賠償責任を負うことは勿論です。
では、この事故でBも負傷した場合、Aは好意・無償で自分の車に乗せていたBに対しても損害賠償責任を負うのでしょうか。いわばAの身内ともいえるBは、無関係の被害者Cに比べて、Aに対する損害賠償請求権を制限されるのではないかという話です。

この点、同乗者自身が交通事故の発生に影響を与えたような事情がある場合は格別、単に好意・無償で自動車に乗せてもらっているからといって、損害賠償額が減額される理由はありません。自動車を運転する者の責任を強化した自賠法(以下)は被害者である「他人」について有償・無償の区別をしておらず、判例も無償同乗者は「他人」に当たり保護の対象であると解しています(最判42.9.29)

ただ、先述のとおり同乗者が危険な運転を助長したり、運転者の危険運転を容認していたと認められる事情のある場合、信義則や過失相殺法理の類推適用によって、損害賠償額が減額されることもあります。
運転者のスピード違反を同乗者が煽ったり、運転者が飲酒していることを知りながら同乗したような場合には、この法理によって損害額が減額される可能性もありますから注意が必要です。

→賠償額が減額された事例
→賠償額が減額されなかった事例

○自動車損害賠償保障法(自賠法)3条
自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によって他人の生命又は身体を害したときは、これによって生じた損害を賠償する責に任ずる。ただし、自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかったこと、被害者又は運転者以外の第三者に故意又は過失があったこと並びに自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかったことを証明したときは、この限りでない。

 ○最高裁昭和42年9月29日判決
「自動車損害賠償保障法第三条本文にいう「他人」とは、自己のために自動車を運行の用に供する者および当該自動車の運転者を除く、それ以外の者をいうものと解するのが相当である」

カテゴリー: 後遺症の損害 · 死亡事故の損害

家事労働の休業損害・逸失利益

2010/01/14

たとえば専業主婦をしている方が交通事故に遭い、入院・通院をしている間の家事が出来なかったり、後遺障害が残って家事がうまく出来なくなったような場合に、休業損害や逸失利益が生じるのかという問題です。これは性別を問わず、主として家事労働に従事する者(家事従事者)が交通事故被害を受けた場合に該当する論点です。

この点、確かに家事従事者は日々の家事について給料を得ているわけではありません。しかし、この家事をもし他人に依頼した場合には相当額の対価を払わなくてはなりませんから、家事従事者は自ら行う家事について、財産上の利益を挙げていると考えられています(最高裁昭和49年7月19日判決)。

このように、家事労働に経済的価値が認められることは判例も肯定するところであり、交通事故被害者が専業主婦の場合でも、休業損害や逸失利益を請求することが可能となっています。
具体的な家事労働の価値については、女子雇用労働者の平均賃金相当額と推定するのが判例の立場です。実際の算定上は、賃金センサス上の女性労働者全年齢平均値または年齢別平均値などを基準にしていくことが一般的かと思います。

なお、被害者が一人暮らしの場合、他人のために家事労働をしているわけではないため、家事労働に関する休業損害や逸失利益は認められにくくなっているので注意して下さい。それ以外にも兼業主婦の場合、被害者が高齢の場合など、具体的な状況ごとに請求金額は変わってきますので、一つの参考として頂ければと思います。

カテゴリー: 休業損害 · 後遺症の損害 · 死亡事故の損害 · 逸失利益

過失相殺とは

2010/01/06

過失相殺とは、損害の発生において被害者にも一定の過失があると認められる場合に、その過失割合に応じて損害賠償額が減額されることをいいます。
仮に損害総額が1000万円のケースで、被害者側に30%の過失があったと認定された場合では、実際に支払われる賠償金は30%減額されて700万円となってしまいます。
このように過失相殺は実際の支払額に大きな影響を与えるため、交通事故損害額の算定において争点になりやすい項目の一つです。

過失割合の算定は、交通事故が発生した際の状況ごとに類型化された一般的基準を基本としつつ、具体的な事故の状況に基づいて加算減算する方式が通常です。
例えば信号機のない同幅道路の交差点で、直進するバイクと右折する自動車が出会い頭に衝突したような場合では、一般的にバイクの側にも30%の過失があるとされています。
そして実際の事故発生時、例えばバイクの側に著しい速度違反があったりすれば、過失割合が40%~50%に加算されることもあるわけです。
このように、具体的な状況によって過失割合を考えていくという手法は常識的なところかと思います。

なお赤信号で停止中に追突されたような場合などでは被害者側の過失0%ということも多いですが、交差点上で発生した事故においては、程度の差はあれ双方に過失ありとされることも多くなります。
事故に遭った方がよく口にされるように、「こちらは優先道路で、相手は一時停止線で停止しなかった」ような場合であっても、優先道路側の過失がゼロということにはならない場合もありますから注意してください。

カテゴリー: 後遺症の損害 · 死亡事故の損害 · 過失相殺

近親者の慰謝料

2009/12/21

民法711条は、生命を侵害された者の父母・配偶者・子について、固有の慰謝料請求権を規定しています。

交通事故の損害には、逸失利益や休業損害など経済的な損害のほか、傷を負ったことや後遺障害が残ったことによる苦しみ等の精神的な損害という側面もあり、これらを全て金銭に換算して損害額を算出することになります。

交通事故によって被害者が死亡してしまった場合、実際に損害賠償請求を行うのは被害者のご遺族となりますが、その場合の慰謝料額は「死亡した被害者本人の慰謝料請求権(を相続したもの)」と「被害者遺族の精神的損害に対する慰謝料請求権」の双方を含んだものになります。

では、被害者が「死亡」した場合でなければ、近親者の精神的損害に対する慰謝料は認められないのでしょうか。
この点、最判昭和33年8月5日判決は、被害者が死亡した場合に必ずしも限定せず、死亡に比肩するような精神的苦痛を受けたような場合には、その近親者にも固有の慰謝料請求権が生じうるとしました。

これは両下肢完全麻痺(東京地判平11.7.29)、植物状態(横浜地判平12.1.21)など、基本的には被害者本人に重度の後遺障害が残った場合に認められる損害項目です。

◎民法第711条(近親者に対する損害の賠償について)
 他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない。

カテゴリー: 後遺症の損害 · 慰謝料 · 死亡事故の損害

逸失利益と将来の昇給

2009/12/21

逸失利益の算定基礎となる基礎収入は、基本的には事故前3ヶ月間の給与、または平均賃金などを基準に算出されます。

ただ、例えば25歳のサラリーマンが交通事故に遭って亡くなったような場合を想定してみると、順調に定年まで勤続していたとすれば、どこかの段階で一定の昇給があったと考えても不合理ではありません。そこで、亡くなった25歳時点で実際に受け取っていた給与をもとにして逸失利益を算定することは妥当なのかどうかが問題になります。

この点、全く昇給がなかったと考えることは不合理かもしれませんが、このご時世ですから解雇や減給の可能性も十分あると考えることも可能かもしれません。結局のところは可能性の話なので、はっきりした結論を出すことは誰にも出来ない部分です。

判例は、ある程度の勤続実績があり、安定した昇給が続いていたなど、客観的に昇給の蓋然性を立証可能なケースの場合には、逸失利益の算定にあたって将来の昇給を考慮することも許されると判示しました(最判昭和43年8月27日)。

この案件では、被害者(死亡時22歳)が死亡前月に受けた給与の額を基準とし、44歳までは同一会社に勤務している被害者と同程度の学歴・能力を有する者の昇給率と同じ程度の割合で毎年昇給するものとし、それ以後も定年となる55歳まで5%の昇給率で昇給を続けるものと考えて将来の給与額を算出した原審の判断が是認されています。

結局のところケースバイケースということですが、昇給体系や離職率などを具体的なデータとして提示できる案件であれば、被害者の職場にも協力を求めながら資料を集め、逸失利益の増額を主張していくことも十分検討する価値があるかと思います。

◎最高裁昭和43年8月27日第三小法廷判決
死亡当時安定した収入を得ていた被害者において、生存していたならば将来昇給等による収入の増加を得たであろうことが、証拠に基づいて相当の確かさをもつて推定できる場合には、右昇給等の回数、金額等を予測し得る範囲で控え目に見積って、これを基礎として将来の得べかりし収入額を算出することも許されるものと解すべきである。

カテゴリー: 死亡事故の損害 · 逸失利益



弁護士に依頼するメリットは?

後遺障害でお困りの方

死亡事故の遺族の方

弁護士・事務所紹介

メールでのご予約はこちら電話でのご予約は052-587-3555